コールハンマー

人知れず回る風見鶏のせいで、ひどく遠回りしている気分になった休日。

僕だけが気付いたその鳥の回る様に、程度はわからないけれど冬を感じた。

遠くの方で光るゴミ集積所の赤い明滅

三秒毎に音が変わる首都高速道路の隙間

「あいつらいい奴だった」と手を振る友人を思い出してしまって、今は亡き、今は亡きと呪いを込めて優しく愛を呟くのであった。

少しばかり年を食って食事の回数と共に残高は減っていくが、何よりも愛しいと思えるように。

苦しい時に「苦しい」と言える人間の方が信用できる、その上で何処まで身を砥せるかの方が問題で。

ああ僕はこの程度かと辟易したり、宙に文字を巡らせてそれを電車に掻き消されてしまったりして進む。

明日こそは、今日こそはといつまでも。

元気で居られれば君達はそれがいい。

ゆうるりとぐるうりとそのまま週末へ。

それもいい、それもいい。