然らば

かくいう俺もそんな気奴らの1人だった 街の流れは妙に穏やかで、日が暮れる前に帰路につくのは久しぶりだ。 やがて朝になる頃に夢を見て、朝起きてまた夢を見て。 然らば は さらば ではなく しからば と読むことにした。 それならば、という。 たらればの中…

コンコルドとなめくじ

大抵の約束はしたような、してないようなそんなもんだと思うようにした。 望んでも叶わないことはあるから別に気にしてないよって言えるように頑張ろうと思う。 ただ信はそこには生まれ得ないから期待しないでねって、そういうこと。 いつか来る終わりが段々…

Re plastination

解決する前に次の問題が 思考を終える前に次の想像が 言い切る前に次の言葉が 頭の中が常に動いている時はないかい。 近頃はそういう事が続いていて夜もうまく飼い慣らせないまま。 あのタクシーはどこへ行くのかと思えば、きっとまた外の世界まであと一歩と…

パンセとコロッケ

人は考える葦であれ 数多の解釈があれど生きるという事はこの言葉に尽きる、浸かる事であると俺は思う。 産声をあげて、毛が生えて、己の足でなんとか立ってみて、気付いたら唐突に現れた支配者に与する事しか出来ないのかもしれない。 まあ唐突な支配者なん…

清潔なホームレス

山手線の終電は大体遅れる。 はやく帰りたくても大体遅れる。 体に貼った湿布薬が冬の寒さを加速させていくので、俺は風邪をひいてしまうのではないか、冬将軍が去るまで油断はできん。と勝手に一人相撲をはじめている。 その時その時、一番望んだものは手に…

スパイスとコンドーム

午前9時我先に、我先にと電車へ乗り込むブルーカラー。地元のお祭りの様に毎日毎日、賑わっている。というより蔓延っている? 本日は晴天なりと俺も叫びたかった。 しかし生憎今日の空は可笑しいほどグレー。 まるで仕上げのスパイスの様に誰にも気付かれな…

経典と狂言

宣教師とコメンテーターの違いは人を愛するか愛さないかくらいなのかもしれない やがてくる稚拙な終わりを求めて、ただ通り過ぎるだけの道草になるのか。それとも一度に介する様に餞けになるのか。 それなりの努力にはそれなりの報いを、ただならぬ努力には…

斜陽の檻

街の隙間灯りは、それが太陽の光である事を忘れそうなほど白く。やがてやがてのうちに影が残した檻の中に囚われていることに気づくのであった。 得てして俺は夜になり自由を手にするはずであったのだ。 然し乍ら寡聞にして言葉は成らず。 過分にして音沙汰張…

抑抑

そもそもの話、言葉は自由であるべきだという。けれど使い手に得手不得手が存在するから、誰かを傷つけてしまうかもしれないと思うと中々口は動かない。 こうしたい、そうしたい、ああしたい言うのは結構楽だなあ。結局達成するのは行動する人だけなんだ。 …

意志のない評論家

冬は鳴らない室外機 足の遅いクレームブリュレ 早起きのデリヘル嬢 高速道路の信号機 渡り廊下のパイプ椅子 およそ必要のない大切なものばかり、いつの間にか心に残っていたりしてやがて考え方も必要のない奴ばかりが世の常。 近頃とても感じることがある。 …

刺して変わらぬ杜若

ようよう、様にいつも変われど殿の事は分からず絡みつく。 誰かしら、誰かしら、と願えどそれは叶わず不幸の徒花だけがいつものしかかっている様なそんな、そんな気がする。 いままで自分がやってきたことやこれからやることに終ぞ疑問を禁じ得なくなってし…

果てど生菓子

調律、というものがあるように楽器だけではなく人の体や精神にもそれに似たものは必要だと思う。 なんとなくとただ気持ちいいを大事にしていてはきっといつか色んなものが狂ってしまうのはわかってるんだけれど、そうもうまくいかないのが人間。己れも人間、…

単純に休みが欲しいと思う。 少し長いのが欲しい。 身体と頭の調子が悪かったり、人はやはり人の幸せをよく思えないんだなあと思ったり。 己の口の曲がり方に辟易したり、堪忍な。 とりあえずはやく体調

ピーナツフォー・ユー

一抹の不安と共に冬の空は乾いていく。 覚えたばかりのペースに踊らされている様に腕は傷んで行く。 1つ2つ3つ、老いて世界が加速して行く様なそんな錯覚におそわれる。 本を読みながら入れたカフェラテに行間まで溶かされてしまう気がして、熱い間に全て…

屋根裏部屋から覗くキッチン

大層なアイランドキッチンと言うよりは合理的な並びの調理場といった雰囲気でいつも母の両手は軽快に動いていた。 歌いながら悲鳴をあげながらも立ち続けた場所は、増える泣き声と共に重なる食器と嵩む光熱費でいっぱいになった。 けれどもそこはいつも全て…

助からずとも大鴉

賢しらな理分と幼稚な依存心においていつの間にか人は殺し屋の様になったりする。 多分独りきりな様な、2人でも独りきりな様なそんな感じ。 伝わらない人にはいつまでも伝わらない事だから別に普通よ、普通。 先月録音した曲を聞いて、もしかして僕達天才な…

耳鳴りとこだわり

およそ40分程遅れた電車は宛ら月初のコンビニエンスストアの様に重たい足を進めている。 やがて着く場所でコーヒーを買って、煙草を吸って今日も帰るのだろうなあ。 そういえば最近はずっと耳鳴りがしていて、少し辛いなあ。でも好きな事やってるのだから仕…

優秀な足手まとい

だんだんと輝きを増す冬の星は、少しずつ終わりを知らせる様で物悲しい気持ちになる。 退屈な日常における素晴らしい瞬間を、胸中八景と共に記すことが至上の目的である。 そんな大言壮語の中にひとひらの愛しさを見出してデラシネは今日も歩く。 また明日。

足元にある生活感

ひとつ確かなものとして歩みの代償というものがある。歩けば歩く程靴は汚れていくし、綺麗にしなければゴミ捨て場行きになる。 綺麗にするには根気がいるし、根気をつけるには余裕が必要になる。 余裕を得るためには技術がいるし、技術を身につけるためには…

体力のない音楽家

バンドマンは俗に言う体力馬鹿の集まりの様なところがあって、おおよそ普通の人間か経験する事のないであろう過密労働や活動時間と共に生活をしている。 二年前までは僕もその様な感じでツアー、ツアー、遠征、ライブ、バイト、遠征の様な変な活動をしていた…

ハーシーズ

甘い、臭い、粘っこい。ハーシーズのチョコレートシロップ。 昔朝食のパンにかけた時に少し吐き気がしたのを覚えている。 最近は家で料理を久しぶりにする様になった。 今日は天津飯と鯛のすまし汁と豚しゃぶとささみのスモークだったのでありますが、ささみ…

コールハンマー

人知れず回る風見鶏のせいで、ひどく遠回りしている気分になった休日。 僕だけが気付いたその鳥の回る様に、程度はわからないけれど冬を感じた。 遠くの方で光るゴミ集積所の赤い明滅 三秒毎に音が変わる首都高速道路の隙間 「あいつらいい奴だった」と手を…

きっと私を待ってる

誰かまた難しい事 言葉にしてくれないか 誰かまた伝わらん事 宣ってくれないかな 溜飲が喉と舌の間をうぞうぞしている そんな簡単な事じゃないだろう 歌で笑うな言葉で喋るな! 手にした明日で足は 息も絶え絶えさ トカレフ弾けば笑えると思った? きっと私…

痩せた男と肥えた嘘

あくまでも太っていないだけで、痩せる努力はしていない。太らない努力はしていても太る可能性は否定しない。 容赦なく俺に襲い来る日常は精神記憶その他諸々を抱き抱えて一足先に明日へ向かう。 親切な友人が俺の記憶違いを指摘してくれても、はてなんのこ…

胸中八景

日常から少しだけ逃げ出した青年は、それでも電車に乗らなければならない事に辟易としながらポケットに入れた日常と耳を繋いで誰かの星に向かってただ、ただ追いかけられている事に気付いた。 序文、最初の数行が本や文字には大切らしい。 なんとなく書きは…

1K a.k.a 1R

午前3時の空模様を誰かに説明しようとしても中々うまくいかない上にその事について考えているとひどく憂鬱な気分になる瞬間ってあるよね。知らんけど。 大抵の1Rアパートは玄関からすぐ自分の部屋が見える安心感があるけれど、1Kになってくると自分の部屋ま…

遺書とは

所謂相続のための情報の1つとして存在している。死人が遺した言葉に沿って進めるわけではなく、周りの状況を鑑みて分配をやるわけだ。 言葉より大事なのは体裁、格好のよろしい体裁を着込んで肌寒い季節にはプライドも重ねて、これであたたかくなっただろう…

ヤンキーゴーホーム

新聞屋のカブの音が聞こえてきて、ようやく朝を理解した。 目の下の真っ黒な半月は苦労などではなく、純粋に疲労や苦悩、達成の為に象られたものであって欲しいと願うのはよろしくないのだろうか。 有名なラブストーリーで泣けなかった僕の事を、誰かは笑っ…

サーチアンドデストロイ

文字通り見つけて殺せ! といった具合に今躍起になって必死になって皆々様はつつくべき穴を舐め回す様に見つめている。 どうやら今週日曜日は選挙らしい、それも大切な。 僕はといえば住民票がある区にいないから白票すら出す気はない、何も申さないので何も…