スパイスとコンドーム
午前9時我先に、我先にと電車へ乗り込むブルーカラー。地元のお祭りの様に毎日毎日、賑わっている。というより蔓延っている?
本日は晴天なりと俺も叫びたかった。
しかし生憎今日の空は可笑しいほどグレー。
まるで仕上げのスパイスの様に誰にも気付かれない様に泣いていた。
長くながあく生きた女性に「貴方が世話役でない事をどうやって説明できようか?」と成る程答えに詰まる質問を僕に投げかけた。
「大切な事は信じる事と、信じない事です。」俺の口から驚く程出た言葉は果たして願望か理想か、それとも確証か。
俺も迷い迷い迷い日々を進む。誰の事も信じてこなかったツケを今払わされている。
誰かを信じる為にはきちんと積み立てなければいけないのだ。と、真っ当な答えを出してしまう。
結局のところ俺は貴方と音楽だけに救われているのだ。
俺が出来るのは貴方が通る道を整地してあげるところまで、そこから先は貴方が選ばなければならい。エゴではあるけれど、俺の為にも、君のためにも。
生活が変われば、生活が変わればいいのに。
唱えるだけはタダである。
しかし俺は真っ当に唱えながらも足を動かせる様になった。
誰かのためをきちんと見つめる様になった。
誰かが逃げ出そうとしても俺は多分歌い続けるんだろう。それくらいでいい、それくらいでいい。